2021年度の活動報告part1

2022/4/7 17:35:00

こんにちは!

CORE15th代表のけんTです。

約1年ぶりのブログ更新です。本当にすみません…

1年ぶりの更新ということで、今回はCOREの2021年度の活動を振り返ってみます。

第17回能代宇宙イベント

 能代宇宙イベントのハイブリッドロケット海打ち部門にて1機の打上実験を行いました。プロジェクトは2020年度の御宿共同打上実験のDuoプロジェクトを引き継ぐ形になり、「ひばり1」の兄弟機である「ひばり2」の打上げを目指しました。当初は御宿で2機打上げ予定でしたが、コロナ禍による活動制限によって2機完成させることができませんでした。そのリベンジとしてプロジェクトを継続し、今回の能代に臨みました。

 ひばり2の特徴は大きく3つあります。1つ目は兄弟機のひばり1との共有パーツを使っていることです。ロケットの下半分、つまりエンジンのまわりの部品やフィンの固定部品などのパーツをひばり1と共通にすることで開発コストを下げました。2つ目はエンジンに独自開発エンジンの「LIATRIS.musica」を搭載していることです。本エンジンは第16回能代宇宙イベントに向けて開発され、元々バルブシステムの実証を目指していた自作エンジン「LIATRIS」をステム式の酸化剤供給が行えるようモデルチェンジをしたものです。エンジンを開発したのは、御宿共同打上実験までひばり2のPM(プロジェクトマネージャー)を務めた高梨晴己くんです。3つ目は新型開放機構を搭載していることです。開放機構とは、ロケットが頂点に到達した時にパラシュートを放出するための機構です。従来はロケットのノーズ部分を物理的に固定し、サーボモーターなどで固定を解除して押し出しばね等でパラシュートを押し出すといった、非常にメカニカルな機構が主流でした。一方ひばり2ではロケットのノーズ部を真空状態を利用して固定してました。開放機構の中を真空状態にして大気圧との差圧から生じる力でロケットのノーズ部を抑え込めるといったイメージです。こちらの機構のアイデアも髙梨くんです。

kaiho

 では実際のイベントはどうだったのか。そう、苦難の連続でした。

 まず、ひばり2が現地審査を不合格で終えるというところから始まりました。現地審査とは、事前に完成報告書というものを提出し、「このロケットはこの報告書どおり安全に打ち上げできますよ」というのを示すための審査です。ボクシングの試合前の計測みたいなものだと思ってください。その現地審査でロケットの重量が完成報告書に記載していた数字よりも1kg以上もずれていました。原因は、現地に行く前ロケットの重量を測定した時にパラシュートをロケットに搭載し忘れた状態だったにもかかわらず、その重量を完成報告書に書いて提出してしまったことです。もちろんこれは安全にかかわる大事件でCOREの安全審査に対する意識の改革につながる経験となりました。  実験運営の方々や審査員の方々のご厚意によって、再発防止に努めることを条件に打上げ機会を与えてくださりました。しかし、打上げ当日もトラブルの連続で打上げの時間(X)がどんどん延期されていき、昼過ぎに最後の点火シーケンスのチャンスとなりました。そして残酷なことに点火シーケンス中止。イグナイターと呼ばれるロケットを点火する装置が作動しなかったのが原因です。僕らは散々まわりにご迷惑をかけておきながら、せっかく与えてくださったチャンスを生かせずロケットを打上げることができませんでした。本当に悔しかったです。  「次の打上げ機会こそ絶対に成功させる!」そう意気込んで伊豆大島共同打上実験に向けて再スタートしました。

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さて次の回で第20回伊豆大島共同打上実験について書きますよ~